豊中の緑の診療所だより

豊中の緑の診療所「加地内科クリニック」からのおたよりです

新型コロナ感染の重症化予防に漢方薬を

新型コロナ感染の重症化予防に漢方薬を 豊中 加地内科クリニック



【以下、医学の専門的な内容が含まれます】
 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会にて 「早期からの漢方薬治療がCOVID-19重症化を抑制する可能性がある」ことが報告されました。発表されたのは、軽症および中等症ⅠのCOVID-19患者における、一般的対症療法と漢方薬による治療の効果を比較した多施設共同観察研究の結果で、重症化して呼吸不全となるリスクを評価した結果、一般的対症療法群よりも漢方薬治療群が低い傾向にあり、特に発症後早期に治療を開始した場合、一般的対症療法群よりも漢方薬治療群の方が有意に低いという結果でした。

medical.nikkeibp.co.jp

この結果より、新型コロナ感染で重症化を予防するためには、新型コロナ感染の早期から漢方薬を内服しておく方がいいと思われます。中国や台湾では、漢方薬が新型コロナ感染に頻用されています。

https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=147

 

新型コロナ感染の後遺障害には、新型コロナウイルスの持続感染の可能性が示唆されていますので、感染初期から、ウイルス量を減らすための治療を行うことが重要です。そのためには、抗ウイルス薬や抗体製剤の投与が有効ですが、投与の制約もあるため、より簡便に投与できる漢方薬の早期投与開始が後遺障害の予防にも推奨されるのではないでしょうか。

www.okayama-u.ac.jp

現在、漢方薬の需要の増大もあり、供給が滞っているようですので、早急に漢方薬供給体制の改善がなされることを期待しています。