豊中の緑の診療所だより

豊中の緑の診療所「加地内科クリニック」からのおたよりです

腸活~腸内フローラを改善すれば、糖尿病はよくなる

腸内フローラを改善すれば、糖尿病はよくなる 豊中 加地内科クリニック



 

  糖尿病患者さんにおいては、腸内フロ-ラの乱れがあることが報告されています。 特に腸内の酢酸、プロピオン酸が減少し、これらを産生する発酵菌の活動が低下しているとのことです。また、それによって、腸管の慢性炎症が起こりやすく、腸管の粘膜バリアの障害がひきおこされ、血中に腸内細菌が検出されることもあるようです。

   糖尿病患者さんの食事指導においては、腸内フローラの改善のため、水溶性食物繊維と発酵食品がすすめられます。最近の研究によれば、食物繊維食によって糖尿病罹患リスクの低下、HbA1cの低下がみられたとのことです。特定のビフィズス菌、酪酸産生菌の増加が、HbA1cの低下、GLP-1増加と相関するとの結果が報告されています。

  食生活において、糖分の取り過ぎと食物繊維不足は、 腸内フローラの乱れをもたらし、結果的にさらに糖尿病が悪化することになります。糖尿病では、腸内フローラをよくする食生活にも気を配る必要があります。

                      参考: 内藤裕二「腸内細菌叢 基礎知識から疾患研究、治療まで」
                              (羊土社)