豊中の緑の診療所だより

豊中の緑の診療所「加地内科クリニック」からのおたよりです

更年期の薬膳

更年期の薬膳 豊中 加地内科クリニック

 

更年期障害は、女性ホルモンの分泌の低下に伴って、身体の機能の不調和が起こり、自律神経失調症を中心とした症状が現れることです。男性にも同じく更年期があります。

更年期障害の症状としては、イライラ・興奮しやすい・不安感・元気がない・神経質・不眠・物忘れ・頭痛・頭が 重い・ホテル・熱感・汗をかきやすい・口渇・冷え性・めまい・ふらつき・動悸・息切れ・手足の痺れ・感覚が鈍い・異常感覚・疲れやすい・肩こり・腰痛など、多彩です。

更年期障害は、老化と密接に関係しているので、薬膳においては、陰陽バランスや気血の流れなどの乱れを調整することを目標にして、食材選びを行います。

1.陰陽のバランスの調整:中医学では、体内の陰陽のバランスが健康の鍵とされています。更年期は特に「陰の虚」とされ、陰を補う食材の摂取が推奨されます。

   食材例:にんじん、黒ごま、黒豆、白きくらげ、豚肉、豆腐など

2.気血(きけつ)の流れの改善:気の流れがスムーズでないと、様々な身体的な不調が起こるとされます。更年期には気血を補い、流れを良くする食材が選ばれます。

   食材例:大根、玉ねぎ、春菊、しそ、らっきょう、みかん、ジャスミンなど

3.腎のサポート:中医学では、腎は「陰」と「陽」の源とされ、腎を強化する食材が推薦されます。

   食材例:鶏肉、ホタテ、イカ、かき、長芋、じゃが芋、豆類など

4.気質に合わせた食材選び:個人の体質や気質に合わせて、食材を選ぶことが大切です。例えば、体が熱を帯びやすい人は涼性の食材を、寒さを感じやすい人は温性の食材を選びます。特に更年期障害では、ホットフラッシュなどの症状が起こりやすく、その場合は、温性食材でかえって症状が悪化することがあるので、注意が必要です。

    涼性の食材例:セロリ、白菜、豆腐、トマト、緑茶など
   温性の食材例:にんにく、生姜、にら、山椒など

5.ストレス軽減と心の安定:更年期は情緒が不安定になりがちなため、リラックス効果のある食材や、心を落ち着かせる食材を選びます。

      食材例:そば、みかん、ジャスミン、マイカイ花、なつめなど

                      参考:「薬膳の基本」辰巳洋(緑書房)