小冊子~ 加地内科クリニックの大切にしていること
H18年、 クリニックの初心を忘れないために小冊子を作成しました。
娘にイラストを描いてもらった手作り作品です。今は、第2版を配布しています。
クリニックの大切にしていることを10にまとめました。
ご来院の際はぜひ手に取ってみてみてください。
以下、第1版のイラストです。
小冊子~ 加地内科クリニックの大切にしていること
H18年、 クリニックの初心を忘れないために小冊子を作成しました。
娘にイラストを描いてもらった手作り作品です。今は、第2版を配布しています。
クリニックの大切にしていることを10にまとめました。
ご来院の際はぜひ手に取ってみてみてください。
以下、第1版のイラストです。
コロナ後遺症~咳が続くときはトリプル療法で
コロナ感染が増加していますが、咳が続くということで来院される方が増えています。
咳に対して、咳止めを処方される場合が多いですが、経験的に咳止めだけではなかなかよくならないことが多いです。
当院では、コロナ後遺症に対して①抗アレルギー剤 +咳止め、②漢方薬、③吸入薬を併用するトリプル療法で治療しています。
漢方薬も咳止めの漢方だけでなく、肺気を補う漢方も一緒に内服した方が回復が早いことが多いです。
頭痛、不眠、倦怠感、気分の落ち込みなどのコロナ後遺症に漢方薬がお役に立てることも多いかと思いますので、コロナ後遺症でお悩みの方は一度ご相談ください。
腸活~パーキンソン病と腸との関係
パーキンソン病患者さんの腸管にある神経叢には異常蛋白であるαシヌクレインが存在することより、迷走神経を介して脳に到達することで、病気を発症することが推定されています。
便秘の人は、パーキンソン病を発症しやすいなど、腸の状態が病気の発症と関係しているという研究結果がたくさん報告されています。
また、パーキンソン病患者さんの腸内細菌の乱れも報告されており、特にアッカーマンシアという菌が増加し、腸管壁を傷害し、腸内の毒性物質が血液中にあふれ出し(リーキーガット)、脳の障害を引き起こすことが推察されています。
さらに、パーキンソン病患者さんの便秘や腸内細菌の乱れにより、パーキンソン病の薬の効能が低下することもいわれています。
パーキンソン病の発症予防にも、発症後の薬の効果を高めるためにも、便通を改善し、腸内フローラの状態をよくしておくことが大切といえましょう。
参考:Reライフ.net asahi.com/relife/article/13077885
内藤裕二「腸内細菌叢 基礎知識から疾患研究、治療まで」(羊土社)
糖尿病患者さんにおいては、腸内フロ-ラの乱れがあることが報告されています。 特に腸内の酢酸、プロピオン酸が減少し、これらを産生する発酵菌の活動が低下しているとのことです。また、それによって、腸管の慢性炎症が起こりやすく、腸管の粘膜バリアの障害がひきおこされ、血中に腸内細菌が検出されることもあるようです。
糖尿病患者さんの食事指導においては、腸内フローラの改善のため、水溶性食物繊維と発酵食品がすすめられます。最近の研究によれば、食物繊維食によって糖尿病罹患リスクの低下、HbA1cの低下がみられたとのことです。特定のビフィズス菌、酪酸産生菌の増加が、HbA1cの低下、GLP-1増加と相関するとの結果が報告されています。
食生活において、糖分の取り過ぎと食物繊維不足は、 腸内フローラの乱れをもたらし、結果的にさらに糖尿病が悪化することになります。糖尿病では、腸内フローラをよくする食生活にも気を配る必要があります。
参考: 内藤裕二「腸内細菌叢 基礎知識から疾患研究、治療まで」
(羊土社)
以前、このブログでも取り上げた小腸の細菌の異常繁殖ですが、最近、過敏性腸症候群の原因として注目されています。小腸の細菌の異常繁殖はSIBO(小腸内細菌増殖症、シーボ)といわれ、過敏性腸症候群の80%がSIBOと報告されています。
SIBOの症状では、頑固な下痢、便秘、腹痛、おなら、腹鳴が続き、少しの食事でも、ガスがたまって、お腹が張るようになります。一般に腸活では、水様性食物繊維、発酵食品が推奨されますが、これらの食事でかえってお腹の調子が悪くなる様な方は、SIBOが疑わしいといえます。SIBOでは、善玉菌をとっても、かえって具合悪くなります。
SIBOでは、小腸に慢性的な炎症が起こるので、免疫力が低下して、ウイルスなどの感染症にかかりやすくなり、アレルギー症状、うつなどの精神症状、にきび、肌荒れ、むずむず症候群、肥満などの原因にもなります。
SIBOになる原因としては、虫垂や胆嚢などの手術、ストレスや間食、抗生物質の乱用、胃薬による胃酸の減少などです。これらの原因を持っている方で、過敏性腸症候群や逆流性食道炎がなかなかよくならない場合は、SIBOを疑うべきでしょう。
SIBOの治療は、まず、食事療法です。細菌の好む食品を避けることです。低FODMAP食を基本とします(3週間以上)。低FODMAP食で改善しない場合は、小腸内の細菌をいったんリセットするために抗生剤(腸で吸収されないもの)を検討します(保険適応はありません)。
〇低FODMAP食 ×高FODMAP食
オリゴ糖 みそ、豆乳、米、 大豆、納豆、パン、うどん、パスタ
ニンジン、ジャガイモ、バナナ タマネギ、ニンニク、スイカ、モモ
二糖類 バター 牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム
ハードチーズ ソフトチーズ
単糖類 トマト、バナナ、レモン アスパラガス、リンゴ、スイカ
砂糖 ハチミツ
ポリオール トマト、バナナ、ブドウ カリフラワー、キノコ
キウイ、レモン リンゴ、モモ、ナシ、スイカ
参考:中島淳他「人生を変える腸内細菌の育て方完全ガイド」(文響社)
~いびきのある人は、睡眠時無呼吸症候群による認知症にご注意ください~
1. 睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠中に上気道の抵抗が増大して、いびき、低呼吸、無呼吸などをおこし、睡眠の障害とともに種々の合併症をきたす病気です。
日中の強い眠気や抑うつ、集中力と記憶力の低下、夜間の中途覚醒、起床時の口渇、夜間の頻尿などが挙げられます。、起床時に頭痛を感じる方もいます。
2. 睡眠時無呼吸症候群は何が悪いの?
高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈、糖尿病、悪性腫瘍などの様々な疾患をひきおこします。さらに、睡眠の質が低下することにより、精神や認知活動に影響が及び、精神疾患、認知症などもおこります。
3. 睡眠時無呼吸症候群の診断・治療
睡眠時無呼吸症候群の診断では、まず、ご自宅で簡易型睡眠ポリグラフィー検査を行います。検査機器はご自身で装着していただき、一晩計測し、診断します。その結果によって、更に二次検査が必要な場合には、フルPSG 睡眠ポリグラフィー検査を行います。当院では、二次検査もご自宅にて施行可能です。
睡眠時無呼吸症候群都と診断された場合、まず、生活習慣の指導の上、軽・中等症では、マウスピース、重症では持続陽圧呼吸療法(CPAP)などの治療を検討します。鼻やのどの耳鼻咽喉科的手術をおすすめすることもあります。
〇夜間にいびきをかく方で、昼間の眠気、うつ状態、物忘れなどの症状のある方は、睡眠時無呼吸症候群を疑い、検査することをご検討ください。
紫陽花が綺麗な季節になりました。
クリニックでも紫陽花が咲いています。
かわいいのでぜひみてください。