豊中の緑の診療所だより

豊中の緑の診療所「加地内科クリニック」からのおたよりです

漢方内科開始のお知らせ

院長休診に伴い、院長による漢方治療は休止しておりましたが、院長復帰に伴い、漢方内科を再開しております。当面、院長診療は月、金午前となりますので、漢方治療希望の方はこの時間にお越し下さい。

漢方内科 加地内科クリニック

 

花粉症(アレルギー性鼻炎)の漢方

花粉症(アレルギー性鼻炎)の漢方 加地内科クリニック


アレルギー性鼻炎の漢方では、小青竜湯がよく用いられますが、小青竜湯を長期続けるのは注意が必要です。

花粉症の始まる2-3月は、気候も寒冷で、水様の鼻汁がみられることが多く、そのような寒証の鼻炎では、小青竜湯がいい適応となります。しかし、小青竜湯を長期続けると鼻粘膜が乾燥し、熱を持つ熱証に変化します。その場合、鼻汁は黄色で粘稠となり、さらに、鼻づまりが起こるようになるとなかなか治らなくなります。熱証では、小青竜湯ではなく、清熱の漢方を使用しなくてはなりません。

花粉症だから、喘息だからと、小青竜湯を漫然と続けるのは注意しなくてはならないと思います。

梅雨の時期の食生活~おすすめの食材

梅雨の薬膳 加地内科クリニック


梅雨の薬膳

梅雨の時期は、湿度が高く、湿気のせいで身体は重たくなり、食欲が落ちたり、皮膚病が悪化したり、胃腸が不調になるなどの症状が出やすくなります。

梅雨の時期の食薬としては、気を補い、気を巡らせて、湿気を取り除くことで、胃腸の調子をととのえるようなものを用います。

<梅雨の時期におすすめの食材>

①気を補います。
 じゃがいも、さつまいも、椎茸、栗、鶏肉、なつめ

②気を巡らせ、湿気を取り除きます。
 そば、グリーンピース、玉ねぎ、大葉、しそ、ジャスミン、らっきょう、みかん、

 ねぎ

③芳香によって湿気を取り除きます。
   ねぎ、大葉、ミョウガ三つ葉

④利尿によってむくみを取り除きます。
 はと麦、あずき、大豆、黒豆、冬瓜、とうもろこし、鯉、鱧(はも)

 

参考:「季節の薬膳」辰巳洋、緑書房

美肌にいい食生活~肌荒れにおすすめの食材とハーブティー

美肌の薬膳とハーブティー

 肌は中医学的には五臓六腑との働き・感情の変動・季節・飲食などに深く関わっています。そのため、食養生では、五臓を養うことが重要です。
 美肌というと、ヨクイニンやビタミンCなどがよく処方されますが、肌の状態には全身的な体質が深く関与していますので、漢方の処方でもさらに体質改善が重要となってきます。

 特ににきびなど、皮膚の感染症を合併し、体の中の熱が悪さをしている場合、熱を排除するような漢方を併用します。また、血流が滞っていること(お血)、血(けつ)が不足すること(血虚)が原因であることも多く、お血、血虚の漢方の併用も必要となります。
 食事も体質に応じて全身のバランスの改善を目指します。

<おすすめの食材>

①しわ、むくみ、かゆみ、顔色不良などの症状
→気を補い血を養います。(補気養血)
    もも肉、鶏肉、いか、ライチ、ぶどう


②皮膚の乾燥、肌つやがない、つやのない毛髪、青白い顔色などの症状
→肌を潤し、陽を温めます。(滋陰温陽)
    にら、きくらげ、クルミ、羊肉、貝類、海老
    
③血に熱がこもることによるかゆみ、にきび、皮膚発赤などの症状
→血の熱を冷やすとかゆみが緩和されます。(涼血止痒)
    レンコン、へちま、苦瓜、青梗菜(チンゲンサイ)
    
④身体に熱がこもることによる、皮膚の発赤、かゆみ、発汗、にきびなどの症状
→熱を冷やし、毒を除く。(清熱解毒)
    白菜、セロリ、きゅうり、大豆もやし、豆腐、緑茶、タンポポ茶
    
 ⑤むくみなどの症状
→湿気を取り除き、むくみをとります。(去湿消腫)
   とうもろこし、冬瓜、昆布、さくらんぼ、そら豆
    
 ⑥気の停滞のため、血の流れも悪くなっておこる、皮膚の乾燥、肌荒れ、顔色不良、しみなどの症状
→気の巡りを促進し、血の流れを良くします。(理気活血)
    青梗菜(チンゲンサイ)、茄子、そば、大根、オレンジ、ジャスミン、山査子(サンザシ)、マイカイ花、酢
    
    <肌荒れのハーブティー>
    肌荒れにおすすめの組み合わせは
    ジャーマンカモミール、ローズ、ヒースです。
    ジャーマンカモミールは皮膚の炎症を抑え、ヒースはしみやそばかす、にきびを美白に促します
    
    参考:「薬膳の基本」辰巳洋、緑書房 
          「ハーブティーブレンド100」しばたみか、山と渓谷社

体質改善の薬膳2.~気滞・血虚・血瘀(血お)におすすめの食材

体質改善の薬膳~気滞血虚・血瘀におすすめの食材 加地内科クリニック


体質改善の薬膳~気滞血虚におすすめの食材

2.気滞
 気滞証とは、ストレスなどが原因で気の運行が滞ることで臓器の働きが失調する病的変化のことです。
 症状:うつ状態、胸のつかえ、脇が張って痛む、腹部の膨満感と痛み

→おすすめの食材
理気:気の巡りをよくします
 春菊、らっきょう、大根、エンドウ豆、そば、ジャスミン、柑橘類、マイカイ花

 

3.血虚
 血虚証とは、血の営養作用の不足で起こる病的変化をいいます。血虚証で最も多いのは鉄欠乏性貧血です。
 症状:顔面蒼白、疲れ、不眠、多夢、めまい、頭痛など

→おすすめの食材
補血:血を補います
 人参、ほうれん草、落花生、ぶどう、いか

滋陰:陰液を滋養します、それにより血を補います
 百合根、黒ごま、銀耳(白きくらげ)、松の実、卵、鴨肉、かき、ほたて、クコの実

補気:気を補います、それにより血を生じます
 長芋、じゃが芋、干し椎茸、鶏肉、なつめ、蜂蜜

 

4.血瘀
 血瘀とは、血の流れが緩慢になり停滞する状態により、臓器、組織、経絡、血管の血流が悪くなる病的変化です。原因としては、気滞気虚、血寒、血熱、血虚、外傷などにより、血流が影響されて、血瘀状態になります。

 症状:疼痛、内臓腫大、血栓、血腫、出血など

→おすすめの食材
活血化瘀:血流をスムーズにします
 青梗菜(ちんげんさい)、テンサイ根(ビート)、にら、茄子、くわい、酢、酒

理気:気の巡りをよくします
 そば、らっきょう、えんどう豆、みかん、だいだい、かぼす、ジャスミン、マイカイ花

  参考:「薬膳の基本」辰巳洋、緑書房

 

 

体質診断については

kaji-clinic.hatenablog.com

胃腸の調子が悪い時の食生活~おすすめの食材とハーブティ-

胃腸疾患の薬膳とハーブティー~胃腸の調子が悪い時におすすめの食材とハーブティ-

胃腸疾患の薬膳とハーブティー

病因、体質によって、体質に合ったおすすめ食材があります。
主な症状:胃の痛み、胸焼け、胃もたれ、食欲不振
原因:邪気(寒さ、暑さ、湿気、乾燥、病原体など)の侵入、虚弱体質、アレルギー、冷たいもの・なまものの過食、ストレス、慢性病

おすすめの食材
①胃腸の働きが低下したとき

→胃腸を健やかにして 気を補います。
 長芋、じゃが芋、栗、鶏肉、海老、なつめ

 

②寒冷や冷たいものやなまものの食べ過ぎにより胃腸の働きが低下したとき

→胃を温めて、寒さを散らします。

 フェンネル(小茴香)、胡椒、ニラ、唐辛子、山椒

 

③:ストレスにより胃腸の調子が悪くなったとき

→気を巡らせて痛みを止めます。

 そば、みかん、ジャスミン、マイカイ花

 

④過食による消化不良のとき

→消化を促進し、胃腸を健やかにします
 大麦、大根、にんにく、かぶ、おくら

 

⑤過食による胃熱、消化不良のとき

→余分な熱を取って消化を促します
 そば、苦瓜、トマト、大根、豆腐、リンゴ、オレンジ

             出典:「薬膳の基本」辰巳洋、緑書房

 

 

 

おすすめのハーブティー
ジャーマンカモミール:胃腸の調子を整え、興奮・緊張などを鎮静する効果もあります。胃もたれや気分の乱れのある時、まず、試したいハーブです。
ペパーミント:気分をリフレッシュするのに効果的です。ジャーマンカモミールと併用することで、胃腸の調子を整えるのにより効果的です。過敏性腸炎などの心身症にも有効です。 
レモングラス:レモンの風味で美味しいハーブです。消化を助け、リフレッシュしたい時にもおすすめです。腸にガスがたまるときにももちいます。
セントジョンズワート:気分が落ち込んだ時に有用な抗うつの効果があります。 過敏性腸炎にも有効で、ジャーマンカモミール、ペパーミントと混合すると効果的です。パーキンソン病の薬など、併用禁忌の薬にご注意下さい。

       参考:「ハーブティーブレンド100」 しばたみか、山と渓谷社