豊中の緑の診療所だより

豊中の緑の診療所「加地内科クリニック」からのおたよりです

冷え性におすすめの食材とハーブティー

冷え性の方の食生活とハーブティー 豊中市 加地内科クリニック



<冷え性におすすめの食生活>
冷え性とは、血の流れが悪く、水が滞ることで、内臓の働きが低下し、体が冷える状態です。薬膳の考え方により、原因別によく使う食材をあげてみました。

①体質・過労・老化・慢性病などにより、内臓の機能が低下して陽気が不足する(陽虚)

→   内臓を温めて、内臓の働きを高めます

   クルミ・栗・羊の肉・エビ・ナマコ

 

 ②冷たい飲み物・生もののとりすぎ・寒さにより、内臓が冷える
→ 内臓を温めて体の奥からくる寒気を取り除きます

      にんにく・しょうが・にら・山椒・唐辛子・こしょう
      
③ストレスなどによる気の巡りと血流の停滞(気滞血お)
→ 気の巡りを順調にし、血流をよくします

      たまねぎ・らっきょう・エンドウ豆・みかん・酢・酒・マイカイ花
      
<冷え性におすすめのハーブティー>

 ルイボス、オレンジピール、ジンジャーに蜂蜜を加える組み合わせがおすすめ。
    ルイボス:代謝を促進してくれます
    オレンジピール:気持ちを高めてくれます
    ジンジャー:血行を促進して発汗作用があります
    
冷え性には、体を温めることが大事なので、体を温める食材や辛味のあるものをとるようにしましょう。

 
 参考:「薬膳の基本」辰巳洋、緑書房 
     「ハーブティーブレンド100」しばたみか、山と渓谷社

ガスがたまっておなかがはる方へ

ガスがたまっておなかがはる方へ 加地内科クリニック



ガスがたまっておなかがはる(腹部膨満) 、おならがよく出て困るなどの症状が気になる方へ

おなかのガス(腸管ガス)は、多くは口から飲み込んだ空気で、緊張した場面では飲み込む空気は多くなります。また、大腸の腸内菌叢による食物の分解で生じたガスも加わってきます。
腸管ガスが増える原因としては
①食べ過ぎや早食い
 早食いすると飲み込む空気が増えますし、食べ過ぎで胃腸に負担がかかり、胃腸を傷害してガスが留まりやすくなります。また、肉類や脂っこいものを食べるとおならも臭くなります。

②ストレス
 ストレスがたまると飲み込む空気が増えますし、胃腸の動きがおかしくなって、ガスがたまりやすくなります。また、ストレスにより腹痛や腹部膨満感がでてきます(過敏性腸症候群)。

③便秘症
 便秘でガスが留まってしまい、発酵するのでおならも臭くなります。 
④胃腸虚弱
 慢性的に胃腸が弱いと胃腸の動きが悪く、ガスもたまりやすくなります。冷え性の方は、冷えると症状がひどくなってしまいます。

これ以外に胃癌や大腸癌などの悪い病気が隠れていることもあるので、まずは、医療機関を受診して検査することから始めるのをおすすめします。

 

治療としては、西洋薬では、腸の動きを整える整腸薬、乳酸菌製剤、便秘の時は下剤などを処方しますが、それでも、改善しない場合は、漢方薬を併用しています。

漢方では、腸の過剰なけいれんを緩和し、腸の動きを調整していきます。ストレスが原因の時は、理気剤というストレス緩和の漢方薬を併用します。また、胃腸が弱っている時は胃腸の気を補い、冷えている時には温めて動きを取り戻していきます。

 

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慢性湿疹・アトピー性皮膚炎に漢方治療

慢性湿疹・アトピー性皮膚炎に漢方治療  豊中市 加地内科クリニック


湿疹(皮膚炎)は、皮膚に起こる炎症です。発赤から、膨らんだり、水疱ができて、潰れて、びらんになったりします。
西洋医学では、ステロイド軟膏や抗アレルギー薬などで治療します。すぐに治癒すればいいですが、長引いて慢性化することもあり、その場合は漢方の適応といえましょう。
温清飲は、熱を冷やす黄連解毒湯という漢方薬と皮膚に潤いをもたらす四物湯という漢方薬の合剤で慢性湿疹にはよく使用する漢方薬です。
さらに原因や体質によって様々な漢方が用いられます。ストレスが強い場合は、理気薬という漢方を用いますし、気の不足する気虚という体質では補気薬という漢方を用います。
慢性化した湿疹は、心と体のバランスの乱れが原因となっていることも多く、体質をみた上で漢方を処方させていただいておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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過敏性腸症候群やお子様の虚弱体質に小建中湯(しょうけんちゅうとう)

過敏性腸症候群やお子様の虚弱体質に小建中湯 豊中市 加地内科クリニック



過敏性腸症候群は、ストレスなどが原因で腹痛や下痢、便秘を繰り返すような症状を総称します。漢方では、心と体は相関していると考えて治療しますので、過敏性腸症候群のようにストレスと関係の深い病気では、漢方がよく効くことが多いです。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)は、胃腸の調子を調えて体力をつける効果がありますので、胃腸が弱く、神経質で緊張するとお腹が痛くなったりするような過敏性腸症候群の患者さまによく用います。膠飴(こうい)という甘い成分が入っていますので、お子様でも飲みやすく、お子様のかぜをひきやすいなどの虚弱体質の改善にも用いられます。小建中湯はおとなでも冷え性で虚弱な方の体質改善に役立ちますので、産後や病後などの体力改善におすすめです。

その他にも、ガスがたまりやすく、おなかがはるなどの症状には、おなかを温める漢方薬がおすすめ。下剤とは異なり自然の便通を取り戻すのに役立ちます。

また、ストレスの改善に役立つ漢方や下痢を改善する漢方なども併用しながら、過敏性腸症候群の症状の改善を目指しております。

西洋薬でも改善しない過敏性腸症候群の患者さまはぜひ漢方についてもご相談ください。

 

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認知症に脳梗塞の薬(血液サラサラ薬)が有効とのことです

認知症に脳梗塞の薬が有効 豊中市 加地内科クリニック



国立循環器病研究センターの研究において、シロスタゾール(血液サラサラ薬)によって認知症の進行を抑えることができたと報告されています。

https://www.ncvc.go.jp/pr/release/006264/


認知症には、脳血管障害の合併が多いことより、脳血流の改善が認知症の予防・治療に有効だと考えられます。脳血流障害は漢方的には血おですので、認知症予防にさらに血おの漢方薬も有効だと考えています。

なお、血おの改善におすすめの食材は

 黒豆、クランベリー、パセリ、さば 

などになります。ご参考になれば幸いです。

脂肪肝の食養生とハーブティー

脂肪肝の食養生とハーブティー 豊中市 加地内科クリニック




脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまりフォアグラ状態になる病態をいいます。今や、日本人の三人に一人は脂肪肝といわれており、脂肪肝のある患者さんでは動脈硬化などの生活習慣病の危険度も高くなります。また、脂肪肝が肝硬変、肝癌へ進行する場合もあるので厳重なフォローが必要となります。
脂肪肝の原因としては、食べ過ぎ飲み過ぎや運動不足といった生活習慣の悪化が多いと考えられます。そのため、治療としては、食事療法、禁酒、運動療法によって、肝臓にたまった余分な脂肪分を減らすようにします。
中医学的には、脂肪肝の病因として、まず、湿熱があげられます。 湿熱とは、食べ過ぎ・飲み過ぎにより、体内にたまった余分な「水」と「熱」が気や血の巡りを邪魔することで肝臓や消化管の働きを妨げるなどの不調をひきおこします。
湿熱を取るためのおすすめ食材は、

 セロリ、きゅうり、とうもろこし、はと麦、冬瓜、チンゲンサイ、豆腐、すいか

などです。
他にも、脂肪肝の食養生でおすすめ食材は

 熱を取り除く: きゅうり、苦瓜、なす、トマト、白菜、豆腐、緑豆、緑茶
 気の巡りをよくする:大根、かぶ、レモン、柚子、みかん、オレンジ
  血の流れをよくする:チンゲンサイ、玉ねぎ、マイカイ花、酢

などがあります。
漢方医学では、湿熱を取り、気の巡りをよくして、胃腸の調子を整える漢方などを用います。

脂肪肝と診断されても、原因や体質によって用いる漢方や薬膳(おすすめ食材)が異なりますので、一度ご来院の上、体質診断をおすすめいたします。

 

ハーブティーで肝臓の調子を整えるのにおすすめは、

  ダンディライオンルート:肝機能・胆汁分泌促進、胃を丈夫にする
  パードック:便通促進、解毒、健胃
  ローズヒップ:ビタミンCの補給
  ネトル:ビタミン、ミネラルの補給

の組み合わせになります。

さらに、ミルクシスルティー、ペパーミントなども肝機能の改善効果があるといわれています。

 

 参考:「薬膳の基本」辰巳洋、緑書房 
     「ハーブティーブレンド100」しばたみか、山と渓谷社

コロナ後遺症でなおりにくい咳に清肺湯(せいはいとう)

慢性咳嗽に清肺湯(せいはいとう) 豊中市 加地内科クリニック



最近、新型コロナウイルス感染後遺症を診療することが増えています。中でも、慢性咳嗽はよくある後遺症です。西洋薬で鎮咳薬を処方されますが、なかなか治らないことが多いようです。
なおりにくい慢性咳嗽には、清肺湯をよく使用します。また、陰虚を伴う場合には、麦門冬湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯なども使用します。肺熱が強い場合は、麻杏甘石湯を併用します。気虚を伴う場合は、四君子湯、補中益気湯を併用します。胃腸機能の低下がある場合(脾虚)には、平胃散、六君子湯を用います。また、ストレスが多い時には、加味逍遥散、半夏厚朴湯なども用います。
慢性咳嗽といっても、様々な原因、体質によりひきおこされておりますので、しっかり診断した上で、漢方を選択する必要があります。症状がなかなか改善しない場合には、一度ご相談ください。

なお、現在、漢方の需要の増加に伴い、漢方が供給不足とのことですので、ご注意ください。